外国人のトラブルとして発生しがちのは、失踪トラブルです。中でも技能実習生や留学生の失踪トラブルは大きな問題になっています。
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外国人技能実習生が失踪する理由
では、なぜ、外国人技能実習生は失踪してしまうのでしょうか。
法務省による技能実習生の失踪動機調査によると、失踪の動機は「低賃金」が最も多く、「実習終了後も稼働したい」「指導が厳しい」「労働時間が長い」と続いています。「暴力を受けた」という場合も指摘されています。
外国人労働者を単なる「安価な労働力」と見る向きもありますが、これは誤りと言わざるを得ません。技能実習生や特定技能その他の資格で就労している外国人にも当然に労働関係法令が適用され、最低賃金法の適用があります。さらに、技能実習生や特定技能の場合には、報酬額が日本人と同等以上でなければならないという規制が設けられています。
日本で就労する外国人は少しでも多くの給料を稼ごうと考えているため、低賃金であることに不満を抱く場合が多く、失踪してしまうことがあります。酷使された場合はなおさらです。
外国人が失踪しない体制の整備
失踪の背景に労働関係法令違反がある場合、技能実習生や特定技能の外国人の雇用を停止しなければならなくなる場合があります。特定技能の外国人との雇用契約の1年以内に企業の責めによって外国人の行方不明者を発生させていた場合、特定技能の外国人の受け入れができなくなります。
中には違法なブローカーに高額な給与を示されて、失踪を促されてしまうこともありますので、外国人本人に失踪のリスクを定期的に伝えることも必要です。
受入れ企業はそれらを理解した上で、法令遵守を徹底し、定期的な研修や面談を通し、積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。
外国人が失踪してしまった場合の対応
万が一、特定技能外国人や技能実習生が失踪してしまった場合は以下の対応をする必要があります。
1.警察に届出をする
・・・何らかの犯罪やトラブルに巻き込まれている可能性があります。
2.母国の家族に連絡する
・・・日本での仕事が合わないことや、母国の家族のトラブルによって、急に帰国してしまっていることがあります。
3.出入国在留管理庁や外国人技能実習機構に届出を行う
・・・特定技能の外国人が失踪した場合、速やかに出入国在留管理庁の長官に特定技能外国人の受入れ困難時の届出をする必要があります。技能実習生の場合は、外国人技能実習機構に届出をする必要があります。
弁護士に相談できること
外国人労働者が失踪してしまった場合は、弁護士にご相談ください。失踪後の入管への対応などのサポートを致します。
また外国人を雇用する企業で、外国人の失踪が不安な方も、法令遵守のチェックや外国人が働きやすい環境の整備をさせていただくことができますのでお気軽にご相談ください。